ーお客様へ寄り添いたいー、その思いが生んだ演出の鍵

皆さんこんにちは。今回は私が担当した、ファッション系企業のイベントの演出をご紹介をいたします。
普段とはちょっと違う演出の方法でしたが、お客様にとても満足いただいた事例として、皆さんにご紹介したいと思います。
私たちがどんなこだわりを持って演出を行っているのかについては、こちらをご覧ください。
(レアウェリナの演出進行/運営管理とは)
お客様のこだわりと、普段のイベントと違う点
千葉県内のチャペルで行われたこのキックオフは、ハイブリッド形式で行われました。2021年上半期に優秀な成績を残した社員への表彰式、トップによる一年の振り返りが主な内容でした。
会場の華々しい雰囲気に加え、ステージの造作や装飾もとても豪華。会場入りした時点で、お客様のキックオフにかける意気込みがうかがえました。また、配信画面からもステージの特別さが十分に伝わっていました。
このイベントは、いつもの企業イベントと少し違う点がありました。
お客様はこのイベントに「なるべく自然体で、決めすぎない楽(らく)さ」を求めていらっしゃいました。
普段の自分たちが主役であり既に輝いている。だからこそ、型にはまった演出をしてしまうと魅力が薄れてしまう、と考えていらっしゃいました。
イベントを盛り上げるために、サプライズや特別な効果を入れることはよくあります。
しかし、そういった演出よりも、普段通りの自分たちをみせることこそが今回のポイントでした。
気づきを表現する2つのポイント
このお客様のご要望を演出に取り入れるには、どうしたらよいのか。進行チームでもアイデアを考えていましたが、ふとお客様同士でお話しされている様子を会場で見たとき、ある2つのポイントに気づきました。
個性をつかむ
まず一つ目は、『個性』です。
会場にいらっしゃるお客様の服装が個性的で、ご自身を強く表現されていました。お客様の普段とは「個性の表現」にあると思い浮かんだのです。
そこで受賞者が登場される際、じっくり足元から全身をカメラで映す演出が良いのでは、という話になりました。
それにより、彼らの服装をフィーチャーし、一朝一夕で作り上げられたものではない彼らの普段の輝きを感じる事ができます。そして、各々の「個性」を存分に伝えることが可能になると考えました。
カメラが登壇者を捉えたとき、個性的な服と、さらに皆さんのクールな表情や笑顔などが浮かんでいました。普段通り=最高に魅力的な瞬間という、お客様の想いが伝わる場面になりました。
距離感に着目
そして二つ目は、『距離感』です。
お客様同士が話されている際、お互いの距離感がとても近いと感じていました。
確かによく見ると上司・部下、社長まで含めて、フランクにコミュニケーションを取られていました。そこでこの企業様の普段通りは「心の距離感」に隠されていると考えました。そして、それをヒントにした演出をチーム一丸となり行いました。
司会者のお二人は普段からよくお話しされるとお聞きしていました。いつもの距離感、それは一般的な二人司会の場合よりも近い距離での立ち位置を設定しました。
スピーチをされる社長には、リラックスしてお話しいただけるよう、敢えて定位置をつくらずステージを自由に歩いてお話しいただきました。
逆に主役の受賞者には、ステージ最上段位置から登場いただき、スケール感を演出。まるでハリウッドを想像させるような、壮麗な演出を行いました。他の登壇者、他のプログラムと大きなギャップを作ることで特別感を引き出せました。それぞれの特性に合った「距離感」を演出することでメリハリができました。
「らしさ」をあきらめさせない為に
普段我々が行っている演出とは少し違います。ですが登壇者の皆様がカメラに映るたびに、
緊張しながらも「笑顔」で楽しまれている姿。そして、それを見ている方々も楽しまれている姿がすべてを物語っていました。
配信で見ている皆様もきっと、笑顔で楽しまれていたことでしょう。
今回私たちは、お客様らしさを演出するために「何が一番お客様に寄り添えるか」を考えました。そして、会話の様子や雰囲気からアイデアを思い付くことに成功しました。
お客様のリクエストや価値観を表現することは決して容易いことではありません。ですがそれが実現した時、 「よかった」と笑顔になっていただけるだけで、それまでの苦労がすべて報われます。
お客様のためであれば、私たちはどんな形であっても最後まで寄り添い、最大限に表現させていただきます。
一緒にそのお気持ちをステージに乗せられる日を心待ちにしております。
Written by S.O